経過観察の他に、できることを探している方へ

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脊髄小脳変性症とは

脊髄小脳変性症とは何かを説明する鍼灸師|院長 吉池 弘明

●更新 2026.07.23

脊髄小脳変性症とは|症状・原因・種類をやさしく解説

脊髄小脳変性症とはどのような病気か説明するイメージ

先日、脊髄小脳変性症と診断されました。頭が真っ白になり、この病気がどのようなものなのか、まだ何もわかっていません。

まずは、どのような種類があり、今後どのように進行していくのか、詳しく教えていただけますでしょうか。

埼玉県 T.S.さん

脊髄小脳変性症は、原因や進行の仕方が異なる複数の病気の総称です。診断直後は何から手をつければよいか分からず、不安を感じるものです。

症状、原因、種類、進行の考え方といった全体像をまとめています。詳細は各項目から専門ページへ進めますので、気になる箇所から確認してください。

院長 吉池 弘明

  • 脊髄小脳変性症とは

    「運動失調」って、何でしょう?

    運動失調とは

    お酒に酔ったときと、似ています。

    脊髄小脳変性症の主症状である「運動失調」は、お酒に酔ったときのように手足の動きや歩行、話し方などがスムーズに制御できなくなる状態です。筋力が低下するのではなく、動かす力はあっても動作をなめらかにコントロールすることが難しくなるのが特徴です。

    小脳・脳幹・脊髄が少しずつ変化していく病気

    病名は一つでも、中身は複数です。

    脊髄小脳変性症は、体のバランスや細かい動きを制御する小脳、およびそれにつながる脳幹・脊髄の神経細胞が、少しずつ機能を失っていく進行性の病気の総称です。原因や特徴が異なる複数の病気をまとめた呼び方のため、理解が難しい部分もあります。

  • どのくらいの人がかかる病気ですか

    どのくらいの人が、なるの?

    患者数・指定難病であること

    指定難病だと、ご存知でしたか?

    国内の有病率は人口10万人あたり18.6人と報告されています。脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は国の指定難病であり、一定の条件を満たせば医療費の助成を受けられます。

    誰にでも起こりうるのか

    血縁者がいなくても、発症します。

    「遺伝する病気」というイメージから自分には関係ないと考えてしまう方もいるかもしれませんが、脊髄小脳変性症は、血縁者に患者がいなくても発症する「孤発性」が多数を占めています。原因の内訳は、次の「原因」の項目で説明します。

  • 主な症状

    気づきやすいサインとは?

    ふらつき・歩行の不安定(運動失調の中心症状)

    「雲の上を歩く」ような感覚です。

    脊髄小脳変性症の主な症状は、歩行時のふらつきです。「雲の上を歩いているようにふわふわする」「立ち止まったり方向を変えたりするとよろめく」といった訴えで気づかれることが多く、進行とともに、手元のふらつき(字が書きにくい、箸が使いづらいなど)も現れます。

    ろれつが回りにくい(構音障害)

    電話ごしに、気づかれます。

    話し方の変化も、よく見られる症状のひとつです。一言一言がはっきりしない、お酒に酔ったような話し方になるといった変化が見られ、ご本人よりも先に、電話で「聞き返される」ことが増えて気づかれることも少なくありません。

    型によって出方が違う

    型によって、出方が違います。

    ここでご紹介した症状の出方や進行の速さは、病型によって大きく異なります。次の「種類がある病気です」で、代表的な型についてご紹介します。

  • 原因

    原因は、大きく2つあります。

    孤発性(遺伝しないもの)と遺伝性がある

    遺伝しないタイプも、あります。

    脊髄小脳変性症は、大きく「孤発性」と「遺伝性」に分けられます。孤発性は血縁者に同じ病気の方がおらず、はっきりした原因がわからないまま発症するタイプ、遺伝性は原因となる遺伝子の変化を親から受け継ぐタイプです。

    割合の目安

    意外と、こちらが多数派です。

    国内の報告では、孤発性が約67.2%、遺伝性が約28.8〜30.3%とされています。孤発性のうち、多系統萎縮症(MSA)が約3分の2、皮質性小脳萎縮症(CCA)が約3分の1を占めるとされています。

    発症のしくみや初期症状の詳しい内容は脊髄小脳変性症の原因と初期症状で、遺伝の確率について心配な方は脊髄小脳変性症は遺伝する?でそれぞれ詳しくご紹介しています。

  • 種類がある病気です

    代表的な型、知っていますか?

    大きく分けて「遺伝性」と「非遺伝性」

    「遺伝性」と「非遺伝性」があります。

    脊髄小脳変性症は、原因となる遺伝子の変化を受け継ぐ「遺伝性」の型と、血縁者に同じ病気の方がいない「非遺伝性(孤発性)」の型に大きく分かれます。遺伝性の型はご本人が、非遺伝性の型はご家族が調べていることが多いようです。

    主な型

    型ごとに、呼び名があります。

    代表的な遺伝性の型として、SCA3型(マシャド・ジョセフ病)、SCA6型、SCA31型があります。この中でもSCA6型・SCA31型は、進行が比較的緩やかとされる型として知られています。歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)は、発症する年齢によって症状の出方が大きく異なる遺伝性の型です。皮質性小脳萎縮症(CCA)は、遺伝性ではなく孤発性に分類される型です。

    SCA-3(マシャド・ジョセフ病)SCA-6SCA-31DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)CCA(皮質性小脳萎縮症)、それぞれのページで型ごとの特徴を詳しくご紹介しています。

    型によって進行の速さ・症状・発症年齢が違う

    進行の速さも、型によります。

    進行の速さや発症しやすい年齢も、型によって大きく異なります。詳しくは脊髄小脳変性症の余命と進行でご紹介しています。

  • 多系統萎縮症(MSA)との違い

    MSAとは、何が違うの?

    MSAは進行が速く、症状の範囲が広い

    血圧や汗にも、症状が出ます。

    多系統萎縮症(MSA)は、脊髄小脳変性症と同じく小脳などの神経が変性していく病気ですが、遺伝しない孤発性の病気であり、小脳の症状に加えて、パーキンソン症状(体のこわばり)や、血圧の変動・排尿障害といった自律神経の症状も伴うなど、症状の範囲が広いことが特徴です。進行も、他の多くの型と比べて速いとされています。

    診断がつきにくく、最初は他の病気と言われることも

    診断まで、時間がかかることも。

    初期には症状の現れ方が一定でないため、診断がつくまでに時間がかかったり、最初は別の病気の疑いといわれたりすることも少なくありません。進行の詳しい目安については脊髄小脳変性症の余命と進行で、型そのものの詳しい特徴は多系統萎縮症(MSA)でご紹介しています。

  • 進行と経過

    「前半戦」と「後半戦」で考えます。

    進行には「前半戦」と「後半戦」がある

    この2つの言葉、覚えてください。

    脊髄小脳変性症の進行は、大きく「自分の足で歩ける時期」と「起き上がりや歩行が難しくなる時期」に分けて考えることができます。看護の現場でも、症状の程度に応じた段階分けが用いられています。

    型によって経過が大きく異なる

    型によって、経過は様々です。

    進行の速さや、それぞれの時期がどのくらい続くかは、病型によって大きく異なります。「進行は緩やか」と言われる型もあれば、比較的速く進む型もあり、一律にはお答えできません。具体的な数値の目安は脊髄小脳変性症の余命と進行で詳しくご紹介しています。

  • 治療法と日常生活の注意

    治療と、日常の工夫とは?

    現在の標準治療の概観

    今の標準治療を、まとめました。

    脊髄小脳変性症の多くの型では、病気そのものを根本から治す治療法は、現在のところ確立されていません。運動失調に対しては、タルチレリン(セレジスト)などの薬による対症療法や、リハビリテーションを組み合わせるのが基本です。現在の治療法や新薬の状況については脊髄小脳変性症の治療法・最新治療で詳しくご紹介しています。

    日常生活で気をつけること

    転倒には、注意が必要です。

    体を動かさないでいると、病気そのものの進行とは別に、「廃用症候群」と呼ばれる機能低下が重なって起こることがあります。特に転倒による骨折は、その後の安静によって機能が一気に落ちてしまうことがあるため、日頃から転倒に気をつけることが大切です。リハビリテーションの詳しい内容は脊髄小脳変性症のリハビリテーションでご紹介しています。

  • 使える制度・お金のこと

    使える制度、ご存知ですか?

    指定難病の医療費助成があること

    脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は国の指定難病18に指定されており、一定の条件を満たすと、医療費の助成を受けることができます。このほか、障害年金や障害者手帳などの制度を利用できる場合もあります。制度の詳しい内容や申請の流れについては脊髄小脳変性症で使える制度とお金でご紹介しています。

  • ご家族へ:「進行を見守る」だけではない選択肢

    見守る以外にも、道があります。

    「経過を見ましょう」と言われて、何もできずにいる方へ

    そのままの方、少なくありません。

    多くの型で「治療法がない」「経過を見ましょう」と言われ、そのまま何年も特に何もせずに過ごしているご本人・ご家族は少なくありません。ですが、経過を見守ること以外にも、知っていただきたい選択肢があります。

    進行の中でも、体の機能に働きかけるという選択肢がある

    体の状態を、目に見える形にします。

    当院では、サーモグラフィなどの機器で体の状態を可視化しながら、鍼治療とリハビリテーションを組み合わせたご提案を行っています。「治る」とお約束することはできませんが、体の機能に働きかけることで変化を実感されている方がいらっしゃることも事実です。詳しくは脊髄小脳変性症は治る確率がある?患者さんの声もあわせてご覧ください。

  • よくある質問

    脊髄小脳変性症はどんな症状が出ますか?

    歩行時のふらつきを中心に、ろれつが回りにくい、手先が使いづらいといった症状が現れます。症状の出方は病型によって異なります。詳しくは脊髄小脳変性症の原因と初期症状でご紹介しています。

    脊髄小脳変性症は遺伝しますか?

    遺伝する型と、遺伝しない型(孤発性)があります。お子さん・お孫さんへの遺伝の確率や検査のことは脊髄小脳変性症は遺伝する?で詳しくご説明しています。

    脊髄小脳変性症の余命はどのくらいですか?

    余命や進行の速さは病型によって大きく異なり、一律の数字ではお答えできません。病型ごとの目安は脊髄小脳変性症の余命と進行で詳しくご紹介しています。

    脊髄小脳変性症は治りますか?

    現在の医学で完治させる治療法は確立されていません。ただし「何も変わらない」わけではなく、変化があったという報告もあります。詳しくは脊髄小脳変性症は治る確率がある?でお伝えしています。

    使える制度・助成金はありますか?

    国の指定難病として医療費助成の対象になるほか、障害年金や障害者手帳などの制度を利用できる場合があります。詳しくは脊髄小脳変性症で使える制度とお金でご紹介しています。

  • 院長 吉池 弘明

    私が書きました

    院長 吉池 弘明

    脊髄小脳変性症の治療経験40年。

    医療用サーモグラフィを独自に導入し、のべ7万2000人の患者さんに鍼灸治療を行ってきた。

    サーモグラフィを用いた神経難病治療を専門に行い、自律神経・ストレス状態をデータから読み解き、患者さんひとりひとりに合わせた治療を提供している。

  • 参考文献

脊髄小脳変性症の鍼灸外来

お医者さんとは違った角度から検査をして鍼治療に活かしています。

脊髄小脳変性症の治療に取り組む 長野県 森上針灸整骨院スタッフ集合写真

西洋医学的に治療法が確立されていないような難病や、保険医療で良くならなかった患者さん、お薬の副作用でかえってお体を壊してしまった患者さんを専門に治療する鍼灸整骨院です。お医者さんとは違った角度から検査をして、鍼治療をしています。初診では十分な時間を取って患者さんの問診をするので、お困りのことがあったらご相談ください。