どんな型か
SCA31(脊髄小脳失調症31型:Spinocerebellar Ataxia type31)は、小脳、なかでも虫部と呼ばれる部分に病変が限局しやすい型です。
脊髄小脳変性症という大きな病気のグループのなかの、ひとつの型(サブタイプ)にあたります。脊髄小脳変性症全体については脊髄小脳変性症とはもあわせてご覧ください。
日本人に多い理由
SCA31は、世界的に見てもほぼ日本人にしかみられない型で、欧米の方での報告はほとんどありません。これは「創始者効果」と呼ばれる現象によるもので、遠い祖先の代に生じた遺伝子の変化が、その子孫にあたる特定の集団の中で世代を超えて受け継がれてきたためと考えられています。
頻度と地域による違い(一般的な統計より)
脊髄小脳変性症のうち、親から子へ遺伝する形式(常染色体優性遺伝)をとるタイプのなかで、SCA31は全国的には4番目に頻度が高い型として報告されています(およそ12.8%)。マシャド・ジョセフ病(SCA3)・SCA6・DRPLA・SCA31の4つの型で、日本の遺伝性の脊髄小脳変性症のおよそ7〜8割を占めるとされています。
また、医学文献では、長野県や南九州など一部の地域では、この順位が変わり、SCA31がより上位(3番目や最も頻度の高い型)になることがあると報告されています。これは全国的な統計に基づく一般的な疫学データのご紹介であり、当院に通院されている患者様の型の内訳を示すものではありません。
MRIで見られる特徴
SCA31では、MRI検査で小脳、特に虫部の上面に限られた萎縮がみられ、脳幹は保たれることが多いという特徴が報告されています。
ただし、この画像の見え方はSCA6と非常によく似ており、MRIだけで両者を見分けることは難しいとされています。確定のためには遺伝子検査が必要です。当院での検査によって診断を行うものではなく、実際の診断は必ず神経内科などの専門医療機関でお受けください。