遺伝性の場合の受け継がれ方
遺伝性の脊髄小脳変性症の多くは、「常染色体顕性遺伝」というかたちで受け継がれます。これは、親が持つ原因の遺伝子の変化が、性別に関係なく2分の1(50%)の確率でお子様に伝わる、という遺伝の仕方です。SCA3型・SCA6型・SCA31型・DRPLAなど、代表的な遺伝性の型は、いずれもこの常染色体顕性遺伝です。
これとは別に、ごくまれに「常染色体潜性遺伝」という形式もあり、この場合は両親がともに原因となる遺伝子の変化を持っている(保因者である)場合に限り、お子様が4分の1(25%)の確率で発症します。
孫の世代について
お孫さんへの遺伝について、最も気にされる方が多い部分だと思いますので、場合を分けて正確にお伝えします。
まず、間の世代にあたるお子様が、原因となる遺伝子の変化を受け継いでいない場合、お孫さんへの遺伝の確率は0%です。遺伝子の変化は、受け継がれなかった時点でそこから先には伝わりません。
一方で、お子様が遺伝子の変化を受け継いでいても、まだ症状が現れていない場合(未発症保因者)は、お孫さんへの遺伝の確率は変わらず50%です。「お子様がまだ発症していないから、お孫さんは大丈夫」というわけではありませんので、この点は誤解のないようお伝えします。
お子様がご自身の遺伝子の状態を知りたい場合は、後ほどご紹介する遺伝子検査や、遺伝カウンセリングという専門の窓口にご相談いただくことができます。
兄弟間について
ご兄弟についても、基本的な考え方は同じです。片方の親が常染色体顕性遺伝のタイプを発症している場合、それぞれのご兄弟に、独立してそれぞれ50%の確率で遺伝子の変化が受け継がれます。お一人が受け継がなかったからといって、他のご兄弟も受け継がないとは限りません。常染色体潜性遺伝のタイプで両親がともに保因者の場合は、それぞれのご兄弟に25%の確率です。
「遺伝する=必ず発症する」ではないこと
前の章でもお伝えしたとおり、遺伝子の変化を受け継いだからといって、必ず発症するとは限りません(浸透率)。型によって発症のしやすさが異なりますので、「ご自身の家系は必ずこうなる」と一律に決めつけることはできません。